【伝説の繁盛店への道-vol.9】危機を救ったのはアルバイトさんの”帰属意識”。過去最高売上を生んだ『治郎丸』への愛、そして学んだお客さんと向き合う”お店づくり”とは。
2024年1月、ファイブグループ総会にて今年の年間スローガンとして「全店伝説の繁盛店」が発表されました。
各店舗、各店長の自主性とチャレンジを重んじるファイブグループでは、同じブランド内でも店舗によって独自の取り組みがあったり個性があるのが当たり前。
そこで!各事業部長達から「みんなの参考になりそうな取り組みをしている今アツい店舗&店長」の情報をいただき、ノウハウを赤裸々に聞き出してきちゃうこの企画!
連載シリーズ「伝説の繁盛店への道」!
今回は2024年3月25日に行われた社内グランプリ店舗を決める「C-1GRAND PRIX2023成果発表会」にて発表された『立喰い焼肉 治郎丸 秋葉原店(フランチャイズ)』の成果と取り組みについて紹介いたします!
失敗と成功を経て得た成果
2023年の『立喰い焼肉 治郎丸 秋葉原店』はたくさんのインバウンドの方に支持をいただき、12月には過去最高売上である「940万円」を達成することができました。
一時期は人手不足もあって思うように営業ができていない時もあり、お客様からの厳しい口コミもいただきましたが現在は徐々に評価のお声をいただけるようになってきました。
これらは『失敗』と『成功』からの気づきによって得られた成果です。
新しいチームへの最初のアプローチ
『治郎丸』はファンくる(覆面調査)を「お客さんにもっと喜んでもらえるお店になるための課題抽出ツール」と捉え、改善に努めてきました。
ファンくるだけでなくSUPを使った育成、目標設定と振り返り、面談やMTGなどすべて全力で取り組んできました。
しかし本当の目的はそれらの取り組みではなく、実際のお客さんに向き合うこと。
そのことを忘れずにきた結果、今日このステージに立てました。
ここまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。
2023年3月にメインのスタッフさんの卒業、店舗責任者の交代、4月には新卒の配属、新しいスタッフさんの採用…と、2023年の春にお店の人員のほとんどが入れ替わったのです。
そのタイミングで改めてチームをつくっていく必要があり、プライベートでも遊びに行ったりオンラインゲームをしたりと、スタッフ同士の結びつきを深める細々とした日々のコミュニケーションを積み重ねてきました。
その甲斐もあって、困っているとすぐに先輩たちが声をかけてくれる環境の中で、アルバイトさんたちが楽しく安心して働くことができる環境をつくっていくことができました。
社員間で深まるばかりの溝
一方、社員同士でも新しいチームでより良いお店をつくっていこうと試みましたが、まったく連携が取れずいつの間にか社員間で溝が生まれてしまう結果に。
アルバイトさんも社員の間に挟まれて雰囲気の悪い状態で営業をしなければいけない日もあり、とうとう耐えかねたアルバイトさんが店長にお店を辞めたいと申し出るまでになってしまいました。
最終的に当時の店長含め社員4人中3人が異動や退職で治郎丸を離れ、社員は現店長の佐々木さんのみに。
そんな安定しなかった状況の中でもアルバイトさんたちは治郎丸が好きだからと言って辞めずに残ってくれました。
大変な状況の中でも、自分たちの大好きな治郎丸をお客さんにも好きになってほしい一心でお客さんと向き合い、ファンくる(覆面調査)でいただいた厳しい指摘もすぐに改善して「また来たい!食べたい!」と思ってもらえるお店づくりをしてくれたのです。
チーム結束の礎は”帰属意識”
その時アルバイトさんたちにあって、社員に足りなかったものは「帰属意識」です。
それぞれがお店を大好きで、自分がチームの一員であると強く自覚してこと。そしてお店づくりを”自分事”と理解しているかどうかがチームワークをつくっていくうえで大切であると気づきました。
加えて「帰属意識」を高めるためにはスタッフ同士の関係性の質を高めることが必須です。
アルバイトさんたちが実践してくれていた、関係性を築くための3つの要素が以下のとおりです。
〇どんな些細なことにも感謝の気持ちを持ち、伝え続けること
〇相手の良いところを見つけて褒める、相手を認めて負けを認めること
〇相手に興味関心を持って自分から歩み寄り、何事も自分から行動すること
成功のカギは”ARI”の精神
仕事上やるべき当たり前のことでも相手がやってくれたことに対して「ありがとう」と感謝を言葉にして伝えること。
そして気がついたことがあったら、すぐに声に出して褒めたり認めたり。直接言いにくいことは朝礼ノートに書いて文字で伝えました。
そしてとにかく常日頃から会話をするようにして、新しく治郎丸に入った人にも積極的に話しかけたりも。
まさにファイブグループで大切にされている「ARI(ありがとう・リスペクト・インテグリティ)」を体現していました。
毎日一緒に働いているとお互いへの感謝や称賛を忘れて、ついつい指摘や不満ばかりになってしまうことも多くなりがちです。そうなると指摘される側は自己防衛や自己主張に気を取られ他責にしてしまい、相手の意見も受け入れられなくなり、結果的に誰も満たされないという悪循環に陥ります。
アルバイトさんに"ARI"をトレーニングしたのは自分たちなのに、社員同士の時はそれを忘れてしまっていたことに気づいた、と佐々木店長は後悔の念を口にしました。
社員の心がバラバラになってしまった『失敗』を経つつ、アルバイトさん主導で大好きなお店に向き合い帰属意識を高めた『成功』があって、徐々に店舗メンバー全員でお客さんにも向き合うことができ、ファンくる(覆面調査)結果1位という結果を得られたのです。
治郎丸が好き、ファイブが好き
発表の最後にはスタッフそれぞれが治郎丸への愛を口にします。
塚原さん「私たちがお客さんに向き合えてこられたのはとにかく治郎丸が大好きだから。そして関わってくれる価値研事業部のみなさんが大好きだからです」
ゴンさん「それは感謝と称賛をちゃんと伝えてくれて、認めて受け入れてくれて、応援してくれる仲間がいてくれたからにほかなりません」
しのさん「これからも治郎丸がお客さんからもっと好きになってもらえるように、みんなで大好きな治郎丸をもっともっといいお店にしていきます!」
リンさん「私は日本に来て治郎丸で働いてファイブグループを好きになりました。もっとここで働きたいので私は社員になります!」
お店とファイブへの愛、そして辛い経験を経て、現在はお互いへのリスペクトに溢れた治郎丸のこれからが楽しみですね!
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