見出し画像

【また来たいへの道-vol.10】ルールをつくるのではなく文化をつくる。スタッフの主体性No.1店舗を解剖!

今月は『価値創り研究所』で「また来たいKPI」(お客様からの支持率を測る各ブランドで設定された指標のこと)の数値でもあるお客様アンケート1位店舗『ステーキロッヂ 渋谷店』にインタビュー!!
着任半年で色んな変化を生み出した岩崎店長にお話を聞きました。
異動したての新任店長必見!

【店舗プロフィール】
▼ステーキロッヂ 渋谷店
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2丁目10−13 新大宗ビル3号館 1F
電話: 03-6416-4125

画像1

【店長プロフィール】
岩崎店長/2020年入社。居酒屋甲子園経験もある居酒屋業界からの転職組。
スタッフの自主性を重んじるお父ちゃんタイプの39歳店長。
店舗理念:強みを尖りに、主体性のあるお店


1:【指標】本質的なことに触れられるように設計する

ロッヂ渋谷店のお客様からの支持率指標「また来たいKPI」は店舗に設置したQRもしくは公式LINEからお客様にご回答いただくアンケートのうち「このお店を誰かにおすすめ出来ますか?」の質問に対しての「誰かに教えてあげたい!」の回答率です。

画像2

事業部全体での目標が3割ですが、うちの店は8割を目標に置いて、今74%です。事業部の中では相当高い基準でやれていると思います。

この指標を置いたときに「回答件数にしないのか?」「取得率だと操作が効くのでは?」的な意見もあったのですが、僕はそもそも飲食店でお客様が自発的にアンケート送るときって”ダメだししたいことがある”か”すっごくよかったからお店を褒めたい”の二択だと思っていて。お店が本当に知りたいのもこの2つですよね。
なので、LINEやアンケートの存在、認知は100%でやりつつ、「絶対書いてくださいね!」という声掛けはしていないです。
アンケートを書いてもらうことを目的にせず「アンケートを書きたくなるようなロッヂ体験をしてもらおう!」が本質的な努力だと思うので。
書きたいから書いた、リアルなご意見に触れることが出来ていると感じています。

2:【取り組み】ブランドコンセプトの体現”だけ”をひたすらやる

僕が赴任してきて最初の3ヶ月間ひたすらやったことはブランドコンセプト通りの100%の営業姿を示す、これだけです。

ロッヂのブランドコンセプトは一言でいえば「その地域から必要とされる最高の(元気)チャージスポット」なので、まずは入口からの元気な全力挨拶の見本となることから始めました。お客様がドアに手をかけた瞬間から元気で気持ちの良い挨拶が聞こえること。

画像3

僕はサービスは加点じゃなくて減点性だと思っているので、一番最初の接し方の印象はその後のサービスを「グッドグラス(良い色眼鏡)」で見てもらうことにも必要不可欠なんですよね。この入口挨拶を筆頭にすべての接するタイミングに「お客様に元気を与えられているか?」を基準として注力しています。

僕がやり続けて、お客様からも「元気でいいね」などのお声をいただいているのを見て他のスタッフ達も自然とやってくれるようになりました。
ドアに手をかけた瞬間に全力でご挨拶するためには”全員”が入口を意識して”全員”が目線をあげて仕事をしていることが必要、入口挨拶を意識していくと自然とキッチンスタッフの目線も上がり、お客様やホールの様子が見えることで気づきも増え”全員接客”が出来てきました。

画像10

お客様からの「元気もらいました」というドンピシャなご意見も少しずつ増えてきているので届き始めてるな!と手ごたえを感じています。

3:【取り組み】「やりたいことをやる」主体性をとことん尊重する

ロッヂ渋谷はもともと主体的に取り組んでくれるスタッフさんが多かった事もあって赴任して関係性がつかめるまで3ヶ月間の間は行動でひっぱるエンロール以外はしませんでした。

口出したくなることは多々あったのですが(笑)このお店の良い文化をちゃんと見極めて1人1人と話すまでに必要な時間だと思ってこらえましたね。僕は『守破離』を大事にしているので、僕より長くお店を支えてくれてるスタッフ達の「文化」はいきなりむやみにテコ入れするべきじゃないと思っています。

画像6

3か月経ってお店やスタッフさんの文化や得手不得手を掴んでから「僕は見ての通り本気で渋谷ロッヂを元気のチャージスポットにしていくけど、それに賛同できますか?これを体現していくことがあなたのやりたいこととちゃんと合致しますか?」を確認する1on1を全員とやりました。以降採用の際にも必ずこれは聞いていますね。
賛同できるだけじゃなくて、自分のやりたいことがお店のコンセプトの中にちゃんとあるかどうかを大事にしたいんです。

数か月前にアルバイトから社員になった「北君」がうちにはいるのですが、彼はアルバイト時代から新人さんをみんなに紹介する動画をつくったり色々すごく主体的に動いて楽しんでくれていたスタッフで。彼の背中を見てきているので「これあったらいいと思う」「じゃぁやろう!」がスタッフだけで出来ちゃうのが渋谷ロッヂの強みです。

画像6

《現在は社員になった北君。アルバイト時代、動画編集中の写真》

画像11

《現在お店を引っ張ってくれているメインアルバイトさんの1人:味岡さん》

今お店にある文化やモノで言うと
・接客のお手本動画
・週間清掃のやりかた動画
・気づいたらやる掃除チェック表
・おすすめPOP
・「輝きスタッフ」のアンケート、表彰
・Instagram  ・・・その他いろいろ

画像8

これらは全部スタッフの子が発案から実行、運営までやってくれているものです。社員は実現のサポートをしているだけ。輝きスタッフをお客様に決めてもらいたい!の企画なんてPowerPointまで作ってアルバイトの子がプレゼンしに来てくれました(笑)

画像7

毎回の1on1で「どう働きたい?」「何がしてみたい?」を掘り下げて聞くことを大事にしています。自分から働く楽しさ、やりがいをつくりに行けることをアシストしていきたいですね。

4:「ルール」でなく「当たり前の文化」をつくる

ルールになると破っちゃうのが人間。なのでどれだけ「当たり前」の文化を増やしてけるかが大切だと思っています。

良く「重要度」「緊急度」でタスク整理をすると思うのですが、例えば「また来たいKPI」は「重要度が高くて緊急度も高いもの」ですよね。でも、各店舗のカラーが出るのは「重要度が高くて緊急度が低いもの」をいくつやれるかだと思っています。なぜならばスタッフの子のオリジナリティや自主性が存分に発揮できるのはこの領域だから。

画像9

なので、重要度、緊急度が高いものはさっさと「当たり前」にして息をするようにみんなやれていけるように文化にする。ルールって置くと「どうすればこのルールが守られるか」でずっと話がグルグルしちゃうのでそうは伝えません。「当たり前のこと(オペレーションやKPI)をさっさと当たり前にして、楽しいこと、やってみたいこといっぱいやろうよ!」って感覚です。

このルールじゃなくて文化、に多く触れ、自分なりの工夫や楽しみ方の余白を持って働いたアルバイトさんは卒業してもお店を愛し続けてくれます。実際ロッヂには卒業生がよく「渋谷で一番接客のいい、美味しい良い店だから」って友達連れて来てくれるんですよ。もうその子自身が自分たちで作ったお店のファンなんですよね。

画像10

僕の理想の店舗像は「強みを尖りに、主体性のあるお店」。ルールで縛って弱みを消すより、強みをとがらせていく方が楽しい自己表現。これからもすべてのお客様に「元気のチャージスポット!」と思ってもらえるように、スタッフの才能を最大化していきます!

▼前号の定食業態の「また来たいへの道」はこちら

▼こちらの記事もおすすめ



いいなと思ったら応援しよう!