独自の施策で秋葉原No.1インバウンドスポットへ。10坪13席の小型店舗で実現する、大きな成長ストーリー。
2024年1月、ファイブグループ総会にて今年の年間スローガンとして「全店伝説の繁盛店」が発表されました。
自主性とチャレンジを重んじるファイブグループでは、同じブランド内でも店舗によって独自の取り組みがあったり個性があるのが当たり前。
そこで!各事業部各店舗ならではのノウハウを赤裸々に聞き出しちゃうこの企画!
連載シリーズ「伝説の繁盛店への道」!
第19回目は「牛かつ 壱弐参」をご紹介!
【成果】昨年比120%以上!訪日外国人が殺到する行列店に。
取材、やっと来てくれましたね!
社内報の繁盛店シリーズ過去記事は読んでいたので自分も出たいって思ってました。
お店づくりに関してそれなりの評価を得ている証拠なのかなって思うので嬉しいです!
今年の売上げは絶好調です。
昨年比120%以上で推移していて平日はほぼ行列が途切れません。
8、9割が海外からのお客さん。韓国が多くて次いでスペイン、中国って感じです。
同エリア兄弟店舗の「牛かつもと村 秋葉原店」に対してはライバル意識バチバチです!(笑)
あちらは大きい店だけどこちらは規模⅓の10坪13席。いかに違いをつくるかってアルバイトさんたちもみんな意識してやってくれています。
【理想の店舗像】身内を安心させられる「かっこいいお店」を!
理想の店舗像は「大切な人に自慢できるようなかっこいいお店であろう!!」です。
スタッフが友人や家族はもちろん、ちょっと気になるあの子を連れてきたくなるお店をつくりたい。最終的にはスタッフが交際相手のご両親を連れてきたいお店ですね!(笑)
働く人自身の信頼につながるようなかっこいいお店をつくるにはまず「ここで働いて良かった」を生み出すことだと決意しました。
【取り組み①】スタッポ最下位…から全員が「また来たい」をつくれるお店へ
・スタッポ(働きがいとチームワークを測る社内アンケート)
23年の5月にこの店に配属されましたが最初は全然うまくいかず、23年9月の時点で牛かつ業態最下位でした。そこが「これはなんとかしないと」と思った転換点。
でも改善のやり方がわからない。
そこで、自業態だけでなく別業態で成果を出している価値創り研究所の前田ブランドディレクターや北店長にLINEして面談を依頼したんです。スタッフとのコミュニケーションの取り方とかうまくやるためにはどうすればいいかみっちり聞きました。
アドバイスをいただいてから、まずは面談率100%を目指しました。そこでスタッフそれぞれの生い立ちから聞いてイチから関係性を作り直したんです。
そして働く3つの目的(「私が、お客さんの"また来たい"をつくる」「私が、みんなの"ここで働いて良かった"をつくる」「私が、"最高のごちそうさん"をつくる」)を得るためにはどんなお店にしたらいいと思う?とみんなに聞き、「今足りない部分とそれを改善するには?」を言葉にしてもらって意識をしてもらうことから始めました。じゃあそのためにこの企画やろう、と施策を出すとスムーズに取り組んでくれました。対話をして、関係性を作り直して、同じ目標に向かって取り組んでいく下地をつくったんです。
その中の一つが「サンクス月間」です。なんでもいいから一緒に入ったスタッフに対して「ありがとう」を伝えようという施策です。
退店時に振り返りを書き込む「C-1ノート」があまり活用されてなかったので、そのノートにお互いへの感謝を伝える言葉を書き込むようにしました。この取り組みが習慣化されるとお店の雰囲気がすごく変わったとスタッフ間でも大きな反響がありました。
また、ブランドコンセプトや理念に関してスタッフ全員に徹底的にテストしていきました。当時はSUP(ステップアッププログラム)に抵抗のあるスタッフも多かったので面談ではあまりSUPという言葉を使わず「こう考えた方がみんなの成長につながるよ」という言い方で伝えてたら、自然とSUPに取り組んでくれるようになりました。
・「また来たい」カウンター
秋葉原エリアはとにかく行列がすごいので元々は21時最終入店だったんですが、今年の1月から21時時点で並んでるお客さんまで入店していただけるように変更しました。
そこで「また来たいカウンター」と銘打って、お客さんの「また来たい」を全力でつくってみたらどうなるかという実験をしてみたんです。
23年10月に全体ミーティングを行った際、「うちの店の好きなところは?」と聞いたらみんな「お客さんとの距離が近い」「海外のお客さんと話すのが楽しい」と意見が出たのでそれを徹底的にやってみよう!と丁寧な接客に力を入れました。
その結果、全員がお客さんにめちゃくちゃ話しかけるようになったんです。
前は良くも悪くも作業に集中できるキッチンに入りたがる子も多かったんですが、この施策を始めてからはみんなホールに出てお客さんと話すの楽しい!という意識に変わりました。
・覆面調査
「また来たいカウンター」をやってたら自然と接客レベルが上がっていって上半期は業態1位の点数でした。
でも点数を上げることを目標にせず、どうしたらお客さんに「また来たい」と思ってもらえるかを考えてほしいというのをみんなには言い続けています。
・リファラル採用
うちはルイトモ採用(スタッフさんが友人を紹介する”類は友を呼ぶ”採用)が5人います。フリーターさんも採用できました。うちで働くと面白いよって言ってくれたんだとしたら嬉しいな。休みの日にも友達連れてわざわざ並んでまで食べに来てくれる子もいるんですよ。理想の店舗像通り、「大切な人に自慢できるかっこいいお店」になってきてるのかなと嬉しく思います。
【取り組み②】”名指し評価”で伸ばすGoogleレビュー10,000件!
「また来たいカウンター」が思いのほかうまくいったので、Googleレビューにも力を入れ始めました。「美味しかった」「また来るね」からレビューを書いてもらう、というのをうちの勝ちパターンにしようと決めたんです。
レビューに力を入れる前から6,200件はありましたが、5月中旬から取り組んで10,000件くらいまで伸びました。点数も4.7から4.8に。
「牛かつ 壱弐参」Googleレビュー
最初は件数を追い求めていましたが、2ヵ月くらい前からレベルアップしてもっと人と人として関わりを深めようと自分たちの名前をレビューに書いてもらうことを目標にしました。
うちの店はみんな名札に下の名前をローマ字で書いてあります。料理説明をする際に英語で「来てくれてありがとうございます。私の名前は〇〇です」と自己紹介をしてから話し始めるというのを試してみたら、そういう店が珍しかったのかネットで少し話題にもなり。秋葉原のインバウンド人気観光地ランキングでは1位をいただきました!
【変化】店も自分も劇的成長!成功者の教えを糧に“学びのリーダー”へ進化
スタッフから「新さんが来て、店長が変わればお店の空気も変わるって実感した」と言われて嬉しかったですね。
自分の変化としては学ぼうという意欲がすごく高まりました。最初に他業態の人から話を聞いて改善できたことから、あまり自分で0から1を考えすぎず、まず成功してる人からインプットすればいいんだって。そこから仕事に関する本も読むようになりました。若い子たちも僕自身の話より「この前読んだ本にこう書いてあったんだけど…」と話すと素直に受け取ってくれるんですよ(笑)
社員にも毎月課題図書を渡して感想を聞いています。代行昇格レポートに「自分の足りないところ=インプット力、アウトプット力、言語能力」と書く子が多いので、それを身につけてもらいたくて。
教育面ではそれぞれの目標を合意し合って、いかに本人が納得いく形で背中を押してあげられるかというのを意識しています。自分自身が言われたままやるのが好きじゃなくて、納得いくまで嚙み砕きたいタイプなのでスタッフにもそうあってほしい。
村上さん(BDF)が上司になったことが僕の中では大きいです。村上さんは距離も近いし僕の考え方を否定せずに理解した上でアドバイスをくれる。
マネジメント面でも学ぶことばかりだし、村上さんの真似をしてれば上手くいくんだって思わせてくれる人です。
【展望】一人一人の武器を表現して、さらなる成長を。
まずは来年C-1グランプリ(年間ランキングをもとに社内No.1の店舗を決めるイベント)に出て優勝したいです!
スタッフそれぞれに目標や課題を与えているので、それに取り組んでいけば個人が成長してお店も成長すると思います。
僕の掲げてる価値ワードは「目標・継続・成功・変革」です。
とにかく目標は持ってといつも伝えています。
僕のできることは関わっている人たちの価値を最大限にして、それを武器にできる状態にすること。その武器をみんなが一人一人ちゃんと表現してほしい。
スタッフA、スタッフBじゃなくてそれぞれの名前を売りにしていいとこ見せていこう!
【新任店長へ】知識も人も自分の助けになってくれる!
ブランドコンセプトやハンドブックはしっかり意識しましょう。内容を自分なりに深掘りしよう!あとたくさん本を読みましょう!自分の頭で思考できるようになります。
そして仲間に頼ろう。業態問わず信頼できる人、助けてくれそうな人をいっぱいつくろう!
【スタッフコメント】
尾花さん:
『壱弐参』は働き始めた頃とは違うお店かなってくらい変わりました。
新さんが来てから短いスパンで目標が設定されて、最終的には長期的な目標を成し遂げようというやり方になってみんなが一つになっていきました。
お客さんとも話ができるし、スタッフとも忙しい中でコミュニケーション取れるのが楽しいですね。牛かつで一番接客が上手な店だって自信持って言えます!
松本さん:
僕は昨年、新さんから誘いを受けてアルバイトから社員になりました。
自分としては社員になった実感があまりないですが、周りからは「すごい変わった」って言われます。
尾花さん:
うん、すごく変化感じましたね。社員になったらお店のことも気にかけてくれるようになりました。「不満ない?」とか「もっとこうしたら良くなるって意見ない?」とかスタッフに聞いてくれるようになったり、お店のことを一番に考えて動いてくれています。
店長目指しちゃいなよって言ってるんです(笑)
松本さん:
自分でも店長は目指していこうと思ってます!
今すごく接客にやりがいを感じていて。違う言語のお客さんとコミュニケーションが成立してレビューに「IBUKI」って書かれてると頑張って話しかけて良かったなって思います。
国籍問わずスタッフがお客さんにめちゃめちゃ話しに行く環境ってすごいし自慢できます!