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地域と世界の両面から仕掛けるファイブグループの事業戦略

居酒屋18ブランドを抱える『居酒屋事業本部』、B級グルメ14ブランドを抱える『B級グルメ事業本部』の2つの柱で飲食事業展開しているファイブグループ。

社員やアルバイト、そしてお客様という「人」を大切にすることを全社的な基本方針とした上で、各事業本部それぞれに強みがあります。

この記事では、各事業本部長2名に、どのような戦略を持って事業の独自性を築いてきたのかをインタビューしました。

▼一戸邦光/居酒屋事業本部 本部長
高校卒業後すぐに飲食事業を運営する企業へ就職。その後、料理の腕を磨くため和食料理屋やホテルへ転職。その後、料理人としてファイブグループに入社し、複数業態の責任者を担当。現在入社13年目。

▼黒澤貴行/B級グルメ事業本部 本部長
新卒で『焼肉屋さかい』を展開する株式会社焼肉屋さかい(当時)へ入社。焼肉ブームで市場が成長するなか、鶏肉専門店、カフェなど様々な業態を開発する部署にて活躍。当時の日本を襲った鳥インフルエンザやBSE問題で、業界の衰退を止められなかった無力さから一度は異業種へ転職するも、既存の枠を超えた価値ある業態で日本の食文化を変えようと再起を図る。楽しさを重視し、人の可能性に注目するファイブグループの理念に共感し入社。現在13年目。


戦略とマネジメントの両輪で攻める居酒屋事業本部

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──まずは居酒屋事業本部について教えてください。

関東を中心に、『旨串 とりとん』『Dining Pecori』『居酒屋いくなら俺んち来い。』などの居酒屋をフランチャイズ含め18ブランド、54店舗展開しています。

大人の隠れ家、女性が一人でも通える洋風居酒屋、若者が楽しめる居酒屋など、ブランドごとに特徴はあるものの、共通しているのは「人に強みがある」ということです。

今後の飲食業界は、「効率を重視するお店」と「人と向き合うお店」に二極化すると考えています。

中途半端に両方をやるのではなく、どちらかに寄せていかなければ生き延びることができない、という見方です。

そのなかで私たちは、戦略として「人と向き合うお店」を選びました。

──「人と向き合うお店」について、詳しく教えてください。

ここでの「人」とは、お客様だけでなく社員やアルバイト、さらには地域住人の方々も含まれています。

まずは「対お客様」の視点で説明しますね。

事業がスタートした13年前は、お客様を楽しませることを大切にした居酒屋ブランドはまだ少なく、地域とつながることまで想定した企業は本当に珍しかったんです。

それが2008年以降になると、リーマンショックや東日本大震災など景気にかかわる大きな出来事があり、新規のお客様獲得よりも人との関係性を大切にするリピーター対策に打って出る企業が増えました。

「人」を軸に先行して知見を積み重ねてきた当社は、他社との競合優位性を持ってビジネスの拡大ができました。

現在のコロナ禍では、改めて人と人とのかかわりが重要になる時期でもあるため、これまで注力してきたことを今後もますます大切にしていきたいと考えています。

──「対社員、アルバイト」「対地域」の面からは、どのような事業戦略をお考えでしょうか。

社員やアルバイトのみんなが地域のために主体的に動いてくれる。そういった私たちがもともと持ち合わせている素地をベースにする考え方で、事業戦略というよりもマネジメントの話になると思います。

代表的な取り組みとしては、「子ども食堂」があります。地域の農家の方から食材を譲っていただき、子どもたちが料理体験できるようなイベントを企画・開催しました。

これは店舗の従業員の発案で始まり、地域住民の方々を巻き込んで実現したもの。当社にはこのようなボトムアップの企画が日々あちこちで動いています。

どうしてもトップが戦略を組みトップダウンで指示をするスタイルだと、「やらされ仕事」になり気持ちが入らなくなってしまいます。

戦略とマネジメントのバランスを保つことが、これまでの事業成長の鍵であり、今後もこれは変わりません。

世界市場でニッチ戦略を仕掛けるB級グルメ事業本部

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──ここからは、B級グルメ事業本部の黒澤さんに伺います。まずは事業部の概要を教えてください。

B級グルメ事業本部には「カフェ事業部」「牛かつ事業部」「パンチョ事業部」などがあります。そのなかでもナポリタン専門店の「パンチョ事業部」は、2020年12月現在で全国に22店舗を構えるまで出店数を増やしています。

居酒屋事業本部は「人と向き合うこと」を主軸にする一方、私たちは「驚き」をテーマに事業を推進しています。

──具体的にはどのような戦略があるのでしょうか?

まずは特定の業態に特化し、複数のブランドを展開しています。ナポリタン専門店、牛かつ専門店という風に、個別にブランドを出店し、ブームを巻き起こし食文化にするイメージです。

次に、お客様の期待を良い意味で大きく裏切ることでギャップを生み、「驚き」に変えています。例えば、500mlのペットボトルよりも大きなタバスコを用意してみたり、牛肉を揚げて食べるという新しい食べ方を提供したり。

とはいえ、いずれもB級グルメの大前提として、「庶民的なはずなのに驚くほど美味しい料理」になっていることが大切です。特にナポリタンに関しては、食べたお客様が「こんな味は今まで経験したことがない」とみなさん驚かれます。

「パンチョ」を例にすると、以前は昔の喫茶店で食べていたナポリタンの味を求める40-60代のお客様が多かったのですが、今では10-20代の方々にもお店に来てもらえるようになりました。

私たちはB級グルメを「食文化」にすることを目指しています。実現のためには、口コミや紹介、リピーターが生まれる仕組みを戦略的に組む必要があると考え、ファンづくりをこれまで実践してきました。

──驚きを生み出すアイデアはどのように生まれるでしょうか?

お客様アンケート、直接のヒアリングによってアイデアが誕生するケースがもっとも多いですね。

具体的な取り組みとして、熱狂的なファン10名にお声がけして、その方々に徹底的にヒアリングする方法があります。

SNSで募集すると、毎回10名の枠に対して300名以上が集まり、2日で募集を打ち切らなくてはいけないほど人気のコンテンツになっています。

ファンとも呼べる熱狂的な支持者が求めているものを理解していくプロセスで、「驚きのアイデア」の種が見つかるのです。

結果としてこの取り組みが、B級グルメ事業本部の商品力にも直結しています。

──商品力の高さは、客観的にどう証明されているのでしょうか?

国内だけでなく、海外でも評価されていることが一つの証明になると思います。特にアジア圏においては、味・量・食べ方のすべてにおいて商品力の高さが認められています。

当社の調べでは、インドネシア観光客の1/3が来店しています。また韓国では、「牛かつ」を知らない人はいないというほどの認知を獲得できました。

ニッチな分野での勝負だからこそ、世界のマーケットにも「驚き」を与えられる

現在はコロナの影響もありインバウンド向けの戦略には慎重ですが、日本のB級グルメ文化をつくりだし、熱狂的なファンとともに世界に広げていきたいという想いは変わりません。

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